カールじいさんの空飛ぶ家

カールじいさんの空飛ぶ家 [DVD]

カールじいさんの空飛ぶ家 [DVD]

成田−ホノルル間の飛行機で観ることができました。内容はよくあるファンタジー…可もなく不可もなく。お金を出して観ていたらちょっとがっかりしていたかもしれません。

人体に風船を付けて空を飛ぶという発想はわりと色んな作品で散見される発想で、特に真新しさはないんですが、家に丸ごと風船をつけて飛ばすという大掛かりさは確かに興味を惹かれるものがあります。こういった「風船冒険譚」で一番わたしの中で印象に残ってるのは、『クルタ 夢大陸の子犬』です。調べてみたらあんまり検索に引っかからない…レビューでも酷評されている。当時、凄く面白いと思ったのにな。日本語版の声優陣も、所ジョージに牧瀬理穂、竹中直人と大物ぞろいなのに。

1995年の映画なのでわたしは小学校三年生。ちょうど15年前の、以前にも書いたけれど阪神大震災で祖母の家に避難しているときに、祖母に連れて行って貰った記憶があります。わたしに、ゴールデンレトリバー犬と、オーストラリアという土地への憧れを植えつけた映画です。
ゴールデンレトリバー犬のクルタが、風船つきのバスケットに乗って飛んでいってしまって、そこであれこれ冒険して帰ってくるというだけの話なのだけど、この子犬がとにかくめちゃめちゃ可愛くて、祖母にねだって買って貰ったテレフォンカードを後生大事に持っていた記憶があります。時は流れ、犬よりも猫が好きになり、いま、家には猫がいるわけなのですが…。

クルタがバスケットで冒険をするのにもあこがれて、よく授業中に、わたしも大きいバスケットで旅をしたいなー、それにはあんなものやこんなものを乗せて、テレビやファミコンも乗せて…と夢想してた記憶があります。
妄想の途中で、でもそんなもの乗せたらバスケットが沈むよなー、と我に帰ったりしたのですが、その妄想を現実にしたのが今回の『カールじいさんの空飛ぶ家』なのだと思いました。風船で『家ごと』旅をするという発想は、現実味云々を超越したロマンがあると思う。

ストーリー自体は平凡で、妻だけをみて暮らしていた偏屈な老人が、妻亡き後、孫のような男の子に翻弄され、徐々に明るくなり人とのかかわりを取り戻していく、という話。そこに冒険やら妻の生前の夢やらが絡めてある。

今回の悪役は、今まで善良に見えていた人物ががらりと姿をかえるところが物凄い恐怖で、昔のドラえもんの映画『のび太ドラビアンナイト』を思い出した。善良そうなおじいさんが実は海賊だったというオチで、悪役なら最初から悪役っぽくしてくれーーと思った記憶が・・・。まあでも今回の悪役に限らず、辺境で暮らす冒険家は偏屈で狂信的な人が多いのかもしれないな…。