練炭結婚詐欺女

とうとう殺人罪での容疑となってから、顔写真や本名が頻繁に晒されるようになった木嶋佳苗容疑者…。この容姿でなぜ結婚詐欺ができるのか?というのは語りつくされた話題かもしれないけれど…わたしは彼女の容姿と、結婚詐欺という罪状に、とんでもない乖離があるとは思いません。

まあ一般的に、男性を騙すのはきれいな女性と相場が決まっているのだろうし、どうせ騙されるなら美女に騙されるほうがいいに決まってるとか、色んな雑念は浮かんでくるけれど…。

確かに美しいとは言いがたいけれど、服装は小汚いわけではなくきちんとしていて、わかりやすい女性らしさを醸し出しているし、長いウェーブの黒髪やらふくよか?な体型やらも相まって、なんとなく聖母像的な安心感を与えるといえなくも…ない。と思う。西洋画の女性ってみんな雰囲気はこんな感じだし。
一般的な美しさの概念からはかけ離れていると思うけれど、この人を「許容範囲内」と思う男性は一定以上いるだろう。

この人がつけていたブログ「かなえキッチン」のキャッシュを見て、それに知性が感じられたのに驚いた。単純な料理の解説に加えて時折加えられるエピソードもあたたかみがあるし、載せられている画像もセンスが良い。これだけ見ると完全な良妻賢母候補というか、優しそうで賢く、いい家庭を持てそうという印象を受けてしまうのだから、恐ろしい…。

そもそもこの人のルックス、特に体型については、強烈なリアリティがある。生身の人間らしさというのか、ほんものっぽさというのか、いったい誰が、この人が自分のことを騙すと思えるだろう。そもそも今回の被害者の男性達は、年齢からみても結婚を急いでいて、不謹慎だけれどとびきりのエリートというわけでもない。要は「選んでられない」立場であったろうことは想像に難くない…その中で小林麻央みたいなのが近づいてきたら大抵の人は身構える。それで、「34歳(35歳?)まで、モテなくて、ひとりだったんです」「料理だけが趣味で」「結婚したらあなたに尽くしたいわ」とか言われた日には…。たぶん、木嶋佳苗が被害者の男性に話したことは、半分ぐらいは本当だったんじゃないかとすら思う。親がそろそろうるさくて、とか、今まで、全然モテなくて、とか。うそをつくときには、その中に半分だけ真実を織り交ぜると上手くいくというけれど、そのときに、「婚活」というキーワードと、木嶋佳苗の容貌はぴったり合致し、真実味という点で、物凄い効力を生むと思う。

いずれにせよ木嶋佳苗は賢い人だと思う。ブログを見てもそれは明らかだし、自分の容貌を生かしたマーケットをしっかり選んでいるところも。たぶん、絵やら浄水器を売るような詐欺だったら上手くいかなかっただろうし。

エリザベート・バートリ、則天武后西太后、カトリーヌ・ド・メディチ…日本だったら、小池真理子の『悪女と呼ばれた女たち』にも登場している、安部定や永田洋子…あとは、個人的には福田和子。悪女という言葉をどう捉えるかにも拠るけれど、時代背景や本人のバックグラウンド如何によっては、木嶋佳苗もこの中に入っててもおかしくない存在かもな…と思ったりしました。