さまよう刃

さまよう刃 (角川文庫)

さまよう刃 (角川文庫)

会社員・長峰重樹の一人娘・絵摩が死体で発見される。悲しみに暮れる長峰だが、数日後、犯人の名と居場所を告げる密告電話がかかってくる。逡巡の末、電話で言われたアパートへ向かう。留守宅へ上がり込み、部屋を物色すると、複数のビデオテープが見つかる。そこには、最愛の娘・絵摩が犯人2人に陵辱されている映像が写っていた。偶然帰宅した犯人の一人・伴崎敦也を惨殺した長峰は、虫の息の伴崎からもう一人の犯人・菅野快児の潜伏場所を聞き出し追う。

久々に総務のTさんと観にいってきました。感想は…うーん、久々の問題提起作、骨太ドラマですが、いまいち作者の考えがハッキリ伝わってこなくてもやもやしました。まあ、白黒決着つける話じゃないんだろうけど、何となくスッキリしないというか…あとは自分で考えてね、といわれたような感じ。

絵摩が覚醒剤を打たれて強姦されてる映像を見て、長峰が勢いよく吐くのがリアルだった…。絵摩のほかにも、被害に遭って自殺した女の子がいて、その子の父親も、その映像を見て発狂してたんですが、無理もない…。

少年法に守られた者を自ら処刑する、というのは非常に難しいところだと思うんですが、よく、テレビで事件があるたび、うちの母親は「こういうのは遺族に裁かせればいいのに」と気軽に口に出します。でも心情的にはほんとにそのとおり…だから長峰に感情移入する刑事たちの気持ちもよくわかった。