エアクラッシャー

今回の研修は、日程の違う4つの班に分けられてたので、支店の女の子の同期は一緒じゃなくて、かえってそれが気楽でした。ひとりで飛行機に乗るのも、ひとりで空港で食事をするのも、夜の空き時間を部屋で読書して過ごすのも、わたしにとってはぜんぜん苦痛じゃないから…。

日程上の都合から、今回の班は本社のひとがやたら多かった。勿論普通の子もいるんだけど、中には特別な枠で特別な方法で入ってきた人もいて、そういう人はやっぱり変わってて、アクが強くてすごく面白かった。グループワークでいきなりホワイトボードに英語を書き出して、指摘したら、「あ、つい英語で考える癖がついてて…」って言い出したり。

職業倫理のグループワークでこんな議題があった。


「卒業間際の大学生であるAさんは、同級生のBさんに、課題を見せてくれと頼まれました どうしますか?」

これを、見せる・見せない それぞれ意見を出して、そう考える根拠も出して議論する、というのが今回の目的。一応職業倫理の議題だけれど、議論することが目的なので、必ずしも「見せない」という結論に帰結しなくてもOKなのです。
グループは初対面のメンバーなので、みんな「つかみ」として、とりあえず「いやー見せるよね!」とか、「ばれなきゃいいよね!」とか、笑いあって、場の空気がほぐれた…と思った瞬間、とある本社の女の子は、「アメリカじゃこういうのは絶対許されない!」と怒り出して…。「あ、そ、そうね…」という感じでみんな半笑い。

「あ、じゃあ 見せない、のほうに一票にしておく?」と誰かが聞いたら、彼女は、
「どーっちでもいい。」と。


全員「え?」
彼女「どっちでもいいんだよね〜。わたしは大抵課題は机の上に置きっぱなしにしてるから、見たい人は見ればいいし?見ないなら見ないでいいし。自由意志かな〜。それにわたしは関与しない、って考え。それがわたしの性格であり、性質だから。」


このエアクラッシャーさんめ!
こういうグループワークにとって、「どっちでもいい」っていうのは禁じ手です。本心ではみんなどっちでもいいんだけど何とか議論してるんだから。
むしろ、課題をどこにおきっぱなしにしてるとか、性格とか性質とか、そういうのはこんな議題に全く関係ないじゃないか…。
誰かキレたり、厭味を言ったりするかな?と思ったらさすがにみんな大人で、彼女を宥めつつ、無事ことなきを得ました。
空気を読めって言葉はあんまり好きじゃないけどこのときばかりはさすがに。