天使と悪魔/ダン・ブラウン

やっと読み終わった……わたしにはとても読みづらくて、時々苦痛になりました。素直な感想を言えば『ダ・ヴィンチ・コード』のほうがずっと面白いなあ…。今回はヴァチカン市国が舞台なので、どうもダ・ヴィンチ…のときのフランスと比べると華がないような気もして…。

今回の内容は単純に言えば宗教VS科学。神という存在を認めない科学と、神を絶対的存在とするヴァチカンの攻防戦です。構成としては、高名なおじさんが殺されて、主人公ラングドンさんの元にヘルプが来て、駆けつけたら事件に巻き込まれて…で、その殺された人には美人で頭のいい娘か孫がいて、ラングドンと一緒に謎解きをして…で、犯人は実はこの人だったの!?みたいな感じで、すごいデシャヴ……『ダ・ヴィンチ・コード』と全く同じじゃないか。今作はダ・ヴィンチコードの前に描かれてるらしいけれど、でもダ・ヴィンチ…のほうにはヴィットリアは全く出てない…あれはただの大人の戯れだったの??いま、三作目を執筆中らしいけれど、また美女が出てきてラングドンと謎解きをして最後にチューするような展開じゃなかろうか。


全体的にレトロだった『ダ・ヴィンチ・コード』と比較して、今回は反物質だの、スイスの研究所だの、どうもSFっぽさ、ハイテクっぽさが目だって、リアリティが感じられなかった…あの移動手段はやりすぎ。アメリカ辺りが舞台だったら良かったのかもしれないけれど今回は奇しくもヴァチカン……どうも光景がしっくりこなくて。翻訳なのもあるかもしれないけれど、情景も中々想像し辛くて…折角のアンビグラムも、小説の挿絵ではそんなに感動しない。映像化したものを観るほうが、手っ取り早いのかもしれないなーと思いました。

ともあれヴァチカンに関する記述とか、フリーメイソンイルミナティの話は興味を持って読めました。もう一度読み返したら理解が深まるのかも……でも、同じ時間を費やすなら、『ダ・ヴィンチ・コード』のほうを読みたいなあ…。