深夜食堂/安部夜郎 1巻〜3巻

深夜食堂 (1) (ビッグコミックススペシャル)

深夜食堂 (1) (ビッグコミックススペシャル)

深夜食堂 (2) (ビッグコミックススペシャル)

深夜食堂 (2) (ビッグコミックススペシャル)

深夜食堂 (3) (ビッグコミックススペシャル)

深夜食堂 (3) (ビッグコミックススペシャル)


顔にキズのある、なにやら過去のありそうな食堂の店主が出会う様々な人々の人間模様を綴った短編集。簡素?というのか、あまり上手とはいえない絵柄は『三丁目の夕日』を彷彿とさせます。ストーリーは昔なつかし人情ものです。

店にあるものなら、頼んだものを何でも出してくれる深夜食堂。場所は新宿の繁華街(たぶん)。営業時間は深夜。それゆえ、なかなか個性的な人たちが集っています…過去のありそうな女性、ヤクザ、ゲイバーのママ、風俗のおねえちゃんなどなど…客層もさまざまです。


毎回、一人の客を主役に据えて、その客の食べ物に纏わる話を展開させるんですが…そのストーリーがどこか昭和っぽい!!特に、男女に纏わる話になったときは、なんとなく『神田川』が頭の中に流れてしまうのです。ヒモにお金を吸い取られる水商売の女の子とか(今時、あんなにヒモっぽいヒモ(?)がいるものでしょうか!)、同棲して食べ物を半分こにするカップルとか…。巨乳を売りにするストリッパーとか。わたしには、『続・三丁目の夕日』の影響もあって、ストリップと聞くだけで、どこか昭和の香りがしてくるように思えるんですが、今も主流な夜の商売として成り立ってるんでしょうか…?でもその昭和っぽさがまたいい味を出しています。

毎回出てくるおいしそうな家庭料理が主軸なのですが、居酒屋コミュニティというのか、全く面識のない人たちが、一緒に飲んでいるうちになんとなく顔見知りになる、というのにも、あたたかみを感じました。こういう文化は今も勿論あるんだろうけれど、何となく昔なつかしい感じがします。