ジーン・ワルツ/海堂 尊

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内容(「BOOK」データベースより)
桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。



人の命を操ることは許されるのか?というとても重いテーマ…社会派小説というよりドキュメンタリーのようだった。興味深い分野だったしそれなりに面白かったけれど、これを読んで、やっぱり小説と作者の間にはある程度の距離が必要だな、と思った。
全然ジャンルは違うけれど、『天使の卵』の村山由佳とか、なんだかヒロインに自分を投影しているような様子が感じ取れて(真偽はわからないけど)わたしはあまり好きではないし、徹底して客観的に書いてくれないと、読み手は白けてしまう…。
この作者は医者で、『チーム・バチスタの栄光』では某分野担当の医者の激務具合に疑問を投げかけていたし、今回の小説でも何となく情報を詰め込みすぎていて説教っぽい印象を受けた。作者がこの問題について怒りを感じているのはとてもよくわかったのだけれど、小説としてみた場合は疑問が残りました。
チーム・バチスタについては、全く知識のないわたしは「???」状態になった箇所もあったのだけれど、医療関係者の母はとても楽しかったみたいで、興奮して「なるほど!」と何度も言っていました。今回のは、知識がない人間でもよく理解はできます、が、そうさせるための書き方が、また説明文っぽくて微妙なのでした…。


ただ、タイトルがすごく美しい!遺伝子の踊り。なるほどなぁと思わせられてしまいます。