衣良部シリーズ

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

空中ブランコ

空中ブランコ

町長選挙

町長選挙

友人からプレゼントされて読んだ本。面白かった!
原因不明の病にかかる都会人たちが、トンデモ精神科医のよくわからない治療で、なぜか治ってしまう、という連作短編集なのだけれど、深いことを考えずに楽しめるし、悪者がいなくて、疲れたときにはなんだかほっとする…。こないだ、このひとの『ガール』と『マドンナ』も読んだのだけれど、こちらも本物の悪者がいなくて良い。

衣良部の治療内容やら効果やらを真剣に考えるより、ただ読んで、ただ笑いたいシリーズです。

あと、奥田英朗って女兄弟がいるのかな?とちょっと思ってしまった。男性視点で女性主人公を描くと、どうしても作者の幻想みたいなものが、ちょっとは混じるものだとわたしは思ってるんだけど…この人には全くそれが感じられないから不思議なのだ…。

言い回しで気に入ったのは  「くそお」  この一点につきます。悔しいときによく主人公が発するんですが、妙にいい味を出してます。

衣良部シリーズはこれで完結なのでしょうか?もっと色々な話を書いて欲しいなあ…。