ブーリン家の姉妹

アン・ブーリンなる人物をはじめて知ったのは桐生操の本でした…でもその時は、エリザベート・バートリやら西太后やら…他は誰だったかなぁ…とにかくとんでもない悪女と並べられてたもので、彼女の印象は薄かった記憶があります。

ヘンリー8世を巡って、ブーリン家の美人姉妹があれこれ小競り合い(?)する話…なんですが、アンにもメアリーにもそんなに移入できなかったし、かといって、策略にはまって追い出されたキャサリン王妃様可哀想…というだけの話でもないし、何とも…。

見所は、ナタリー・ポートマンの悪女っぷりと、絢爛な衣装かなぁと思います。金髪のスカーレット・ヨハンソンの、肉感的な雰囲気とか、(唇が、厚くて、ちょっと口が開き気味)姉に裏切られてそれでも浮かべるイノセントな表情とかも良かったのですが、わたしは断然ナタリーのほうが好きです。

そういえば、ナタリー・ポートマンと、『ハリー・ポッター』のエマ・ワトソンって何となくイメージが重なるような気がします。賛否両論あるだろうけれどもどちらも子役で人気を博して、でも成長の過程でうまく可愛い子役→美女 への転換を遂げているところとか。
医者の娘でハーバード卒のナタリー、弁護士の娘でケンブリッジ大合格のエマ…環境とか、知的なイメージがあるところも(イメージじゃなくてほんとにそうなのだけど)同じ。ルックスは…眉毛の感じが似てるかな…。わたしはどちらも好きなのだけれど、mixiのコミュニティなんかを見てると、互いのコミュニティに入っている人、というのはそんなにいないようです。

ナタリー扮するアン・ブーリンは、とんでもなく頭の回転がはやくて知的だけれど、どこか可愛げのない女性です。可愛げのない、というのは男性視点なのだけれど、対等に議論を交わし、自分の意見を言い、挑戦的な顔をして…多分、いっぱい反感を買ったんだろうなあ…と思わせるような。反対に、メアリー・ブーリンは、金髪の、弱弱しい女性で、自己主張もあまりしません。最後には平凡なしあわせを掴みますが、悲劇的な最後であっても、自ら道を切り開こうとしたアンのほうが何となく魅力的に思えます。
アンは王を「本当の意味で」手に入れるために、簡単には身体を許さず、じらしにじらしまくって野望を遂げます…見事なおあずけ作戦、なのですが、ほんとにこんなの、ありえるのかなぁ…と考えてしまいました。よく、最近の草食系男子には、気のないそぶりをしたら、簡単に諦めてしまうからダメ!なんていいますがヘンリー8世はめちゃくちゃ好色、かなりの肉食系!です。こういう人にはアンみたいな戦法も有力なのかもしれませんね…いややっぱり何か納得いかない感じもするけど…。